行政書士の基礎知識、14問中6問の足切り

秋の図書館の窓際で、基礎知識のノートから顔を上げて考える岡田陽(33・広島)

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この記事の答え

  • 基礎知識は14問(56点)。6問(24点)に届かないと、法令等が満点でも不合格です。これが「足切り」
  • 出るのは4分野。令和7年度の実物は一般知識6問・行政書士法などの諸法令2問・情報通信と個人情報保護3問。残り3問が文章理解にあたります
  • 6問の確保は「諸法令+情報通信・個人情報保護」の5問を勉強で固め、文章理解で足すのが筋。時事の一般知識に当て込まない
14問基礎知識の出題数(1問4点・56点)
6問足切りを越える最低ライン(24点=40%)
4分野一般知識/諸法令/情報通信・個人情報保護/文章理解

私は沖縄で行政書士として開業しています。行政書士試験には「全体で180点」のほかに、科目ごとの最低ラインが2つあります。法令等の122点は自然に越えますが、基礎知識の24点は、法令の勉強をいくら積んでも越えられません。この記事は、行政書士試験研究センターの公式資料(試験案内・合否判定基準・告示の改正文)と、令和7年度の問題そのものだけで整理しました。確認日は2026年9月6日です。

目次

足切りの仕組み:3つの条件を全部満たす

次の要件のいずれも満たした者を合格とする。(1) 行政書士の業務に関し必要な法令等科目の得点が、122点以上である者 (2) 行政書士の業務に関し必要な基礎知識科目の得点が、24点以上である者 (3) 試験全体の得点が、180点以上である者

令和7年度行政書士試験合否判定基準(行政書士試験研究センター)
法令等122点以上244点満点の50%。46問(択一40+多肢3+記述3)
基礎知識24点以上56点満点の40%。14問すべて5肢択一・1問4点
全体180点以上300点満点の60%

基礎知識は1問4点なので、24点はちょうど6問です。5問だと20点で、法令等で244点を取っていても不合格になります。合格者の平均は197点(令和7年度)ですから、点数に余裕のある人ほど、この科目だけで落ちたときの損が大きい。

注意

基礎知識は全問が択一式で、部分点がありません。記述式のように「途中まで書けた」は存在せず、6問正解か、5問以下かの二択です。

早朝のカフェで新聞を読む石井健吾(34・東京)。基礎知識の時事対策
石井 健吾(34・東京)|行政書士に受かった。登録して開業の準備中

令和6年度から「一般知識等」が「基礎知識」に変わった

この科目は、令和6年度の試験から名前と中身の書き方が変わりました。総務省告示「行政書士試験の施行に関する定め」の改正です。

旧(令和5年度まで)新(令和6年度から)
科目名行政書士の業務に関連する一般知識等行政書士の業務に関し必要な基礎知識
分野政治・経済・社会/情報通信・個人情報保護/文章理解一般知識/行政書士法等行政書士業務と密接に関連する諸法令/情報通信・個人情報保護/文章理解
出題数14題14題(変わらず)

改正の文書には「累次の行政書士法改正や行政書士に期待される役割の拡大等を踏まえ」、諸法令と情報通信・個人情報保護の各分野について、それぞれ一題以上出題するよう明記するとあります。同時に「本改正は現行試験の内容及び出題範囲を変更するものではありません」とも書かれています。

ポイント

受験生にとっての意味は一つです。勉強で確実に取れる分野(行政書士法などの法令、個人情報保護法)から、毎年必ず出ることが告示で保証された。時事に左右される一般知識に頼らなくても、6問を組み立てられる材料が用意されたということです。

机で過去問を解きながら時計に目をやる岡田陽(33・広島)
岡田 陽(33・広島)|行政書士 受験1年目。基礎知識の足切りが怖い

令和7年度に実際に出た14問

言葉の定義より、実物のほうが早い。センターが公開している令和7年度の問題(問題47〜60が基礎知識)を、そのまま並べます。

問出題内容(問題文から)分野
47日本の住民投票(住民投票条例の個別型・常設型など)一般知識
48政党助成法・政治資金規正法・連立政権の歴史一般知識
49米をめぐる政策の歴史(米騒動・食糧管理制度・減反・新食糧法)一般知識
50貿易(GATT・WTO・TPP・セーフガード)一般知識
51経済学の基礎(需要曲線・価格弾力性・機会費用・完全競争)一般知識
52社会運動(女性参政権・1969年の米国の抗議運動・フラワーデモ・女性差別撤廃委員会)一般知識
53行政書士法(戒告・業務停止などの処分)諸法令
54戸籍法(出生の届出)諸法令
55ディープフェイク情報通信・個人情報保護
56なりすまし広告を通じた投資詐欺情報通信・個人情報保護
57個人情報保護制度(個人情報保護法・個人情報保護委員会)情報通信・個人情報保護
58〜60センター公開の問題PDFには掲載されていない(正解は公表)文章理解(消去法による推定)
一般知識6問政治・経済・社会・歴史。範囲に上限がない
諸法令2問行政書士法・戸籍法。条文で決まる
情報通信・個人情報保護3問個人情報保護法+ITの時事
文章理解3問58〜60(推定)。練習で安定する

4分野のうち、告示が「毎年それぞれ一題以上」と明記しているのは諸法令と情報通信・個人情報保護です。令和7年度はその2分野で合わせて5問出ました。問題58〜60は公開PDFに載っていませんが、4分野すべてから出題するという定めと、47〜57がすでに他の3分野で埋まっていることから、文章理解と見るのが自然です。

クリーム色の紙に描いた14個の丸。上の段の6個だけが緑で塗られている。鉛筆を持つ手元、真鍮のランプ、新聞、紅茶

6問をどう確保するか

  1. 諸法令の2問を取りにいく行政書士法は条文数が少なく、処分・業務・登録あたりは法令等の勉強と地続き。戸籍法は届出の期限と記載事項を押さえる
  2. 情報通信・個人情報保護の3問のうち、個人情報保護法は落とさない個人情報保護委員会の役割、罰則、行政機関への適用。ITの時事(生成AI・SNS詐欺)は用語を新聞レベルで
  3. 文章理解の3問を練習で安定させる並べ替え・空欄補充・要旨。過去問を年度分やれば型が分かる
  4. 一般知識の6問は「取れたら加点」令和7年度は住民投票・政党・米政策・貿易・経済学・社会運動。ここに時間を注いでも、出るところは読めない

この組み立てなら、諸法令2問と個人情報保護1問で3問、文章理解で3問、合わせて6問の見込みを、時事に頼らずに作れます。ITの時事と一般知識で1〜2問拾えれば、7〜8問。足切りに対しては十分な余裕です。

順番

基礎知識の勉強は、法令等が固まってから始めても間に合います。ただし「直前に一般知識を詰め込む」は最も割に合わない。直前期に足すなら、行政書士法の条文と個人情報保護法、それに文章理解の過去問です。

講座を比べてから決める

受講料も、各社が公表している合格率も、条件がそろっていないと比べられません。当サイトでは公式ページの数字を確認日つきで並べています。

  • 資料請求は無料で、届いてから考えれば十分です
  • 合格率は各社で集計の母集団が違うので、横並びにはしていません

当サイトはアフィリエイトプログラムに参加しており、上記リンク経由の資料請求や申込みで当サイトに報酬が発生することがあります。いかなる講座も合格を保証するものではありません。

まとめ

  • 合格には3条件すべてが要る。基礎知識は14問中6問(24点)が最低ライン
  • 令和6年度から科目名が「基礎知識」に。諸法令と情報通信・個人情報保護から毎年1題以上と告示に明記された
  • 令和7年度の実物は一般知識6・諸法令2・情報通信と個人情報保護3・残り3(文章理解と推定)
  • 6問は「諸法令+個人情報保護法+文章理解」で組む。一般知識は加点扱い
  • 直前に一般知識を詰め込むのは最も割に合わない

よくある質問

行政書士試験の基礎知識で、何問取れば足切りを越えられますか?

6問です。基礎知識は14問で1問4点、合格基準は24点以上(満点56点の40%)なので、6問正解でちょうど24点になります。5問以下だと、法令等や全体の点数に関係なく不合格です。

基礎知識ではどんな分野が出ますか?

一般知識、行政書士法等行政書士業務と密接に関連する諸法令、情報通信・個人情報保護、文章理解の4分野です。令和7年度は一般知識6問、諸法令2問(行政書士法・戸籍法)、情報通信・個人情報保護3問が出題され、残る3問が文章理解にあたります。

令和6年度から基礎知識は何が変わりましたか?

科目名が「一般知識等」から「基礎知識」に変わり、行政書士法などの諸法令が分野として明記されました。諸法令と情報通信・個人情報保護は毎年それぞれ1題以上出題すると告示に定められています。出題数(14題)と出題範囲は変わっていません。

もう一つの足切りである記述式の採点条件は記述式60点の記事に、合格したあとの登録費用は登録費用の記事にまとめました。講座を比べるなら行政書士の講座を比べるページへ。当サイトの運営者は沖縄で行政書士事務所を営んでいます。

出典(いずれも2026年9月6日確認)

  • 行政書士試験研究センター「令和8年度行政書士試験のご案内」(試験科目と内容・出題数・合格基準の割合・試験日 2026年11月8日・合格発表 2027年1月27日・受験手数料10,400円)
  • 行政書士試験研究センター「令和7年度行政書士試験合否判定基準」(配点:法令等46問244点・基礎知識14問56点、合格基準点:122点・24点・180点)
  • 行政書士試験研究センター「【令和6年度試験から適用】『行政書士試験の施行に関する定め』の一部改正について」(新旧対照表・各分野一題以上・出題範囲は変更しない旨)
  • 行政書士試験研究センター「令和7年度行政書士試験問題」PDF(問題47〜57の内容。問題58〜60は掲載なし)、「令和7年度行政書士試験問題の正解」
  • 行政書士試験研究センター「令和7年度行政書士試験実施結果の概要」(合格率14.54%・合格者平均197点)

本記事は行政書士試験の公表資料と過去問の整理です。問題58〜60の分野は公開資料からの推定であり、出題の傾向は年度で変わります。受験にあたっては必ず行政書士試験研究センターの最新の試験案内をご確認ください。

この記事に出てくる人岡田 陽(33・広島/行政書士 受験1年目。基礎知識の足切りが怖い) 石井 健吾(34・東京/行政書士に受かった。登録して開業の準備中)
14人の紹介は登場人物にまとめています(記事を読みやすくするための架空の人物です)。

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